針金と糸で生み出す、儚くて強いかたちを求めて|制作過程

蝶の方を針金や糸、布でで制作し、そのあと糸を丁寧に縫っていきます。一宮美術展に出品するものです
制作過程を紹介

一宮市在住のせんい作家 宮嵜祥子が制作する糸と針金の作品

写真は、白かった作品を黒に色付け。
ここから更に手を加え、組み立てて一つの作品に落とし込みたいところ。

今回の制作で表現したいと思ったのは、
“悲しみ”、“憂い”のような…
言葉にするのが難しい感情です。

それをどうやって形にすればいいのか。
どんな素材でどう組み合わせたら、その空気感を宿せるのか。
そんなことを考えながら、向き合っています。

少し前には、爽やかな感じで金魚や鳥をつくりました。
金魚は、ヒレの柔らかさや、ゆらめくような動きがとても優雅で、
そこに人の心のような繊細さを感じました。

壊れてしまいそうで、美しく、
でも、確かな命の力強さを持っている。
その両面に惹かれたのだと思います。

今回も、そんな「二律背反」をテーマにしています。
強さと弱さ。
直線ではなく、曲線。

花や蝶のように、軽やかで、
それでいて命の奥にある悲しみや憂いを感じさせるもの。
そんな存在が、私の中の「作りたい形」に近い気がしています。

脆くて壊れそうに見えて、
実は強く、しなやかに生きている。
針金と糸、布で表現することで、
その“矛盾を抱えた美しさ”を伝えられたらと思っています。

さて、この制作11月の一宮美術展までに間に合うかな。

制作過程1
制作過程2
制作過程3

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