第14回 個展で何かを証明しようとしていた私が気づいたこと|線の美しさを伝えるということ

これは、個展を前にしていた
5月12日の記録です。

私はずっと、

「証明する」って
どういうことなんだろう、と考えていました。

個展で、何かを証明しようとしている。

そんな気がしていたんです。

この線は美しい。

この線には意味がある。

私はこれをずっとつくってきた。

そのことを、作品で証明しなければいけない。
そんなふうに。

でも、考えながらふと気づきました。

私がやりたいのは、

「この線、美しいと思うんですけど、
あなたはどう思いますか」

ただ、それだけなんじゃないかって。

証明じゃなくて、伝達。

認めてもらうためじゃない。
正しいと証明したいわけでもない。

ただ、「私はこの線を美しいと思う」
という感覚を、作品にして差し出している。

その感覚に、誰かが出会ってくれたら嬉しい。

それだけだったんです。

そう思ったら、急に楽になりました。

精度の高い線をつくって、見せる。

作っているときの私は、ずっとそれだけをやっていた。

なのに、いつの間にか

「証明しなければ」
と、難しく考えていたんだと思います。

個展を終えた今、
あのときのことを思い出しています。

今までだって、間違っていなかった。

ただ、自分の感覚を信じることに
少し自信がなかっただけなのかもしれません。

私は、何を証明しようとしていたんだろう。

今はもう、

証明しなくてもいいのかもしれない。

ただ、つくる。

そして、

「この線、美しいと思うんですけど、
あなたはどう思いますか」

と、差し出してみる。

それでいいのだと思っています。

ギャラリー黒

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