造形教室での話②

—あそびを通して発想を広げること—

 

思い返してみたら私の幼少期には絵画教室なんてものは、
近くにありませんでした。

ましてや遊びを通して発想を広げるなんて、
図工の授業でも教えてもらったことあったっけ?と疑問が残ります。

学校では約30人ぐらいいる生徒を一斉に授業をカリキュラム通りに進めていこうと思ったら、
そんな自由に先生も児童さんにやらせる余裕もないだろうとは思うけれど…。

私が教えている造形教室では、みんなが同じものを作るのではなくて、素材は同じものを用意するけれど、
発想の広げ方はそれぞれちがっていて自由です。

同じ素材を使っていても全く違うものが出来上がってきて、
私はその子から出てくる言葉を拾い上げることをします。
話を聞いて、深めて、また気付いて、再び作り深めていきます。

そして、その年齢に合わせて、こんな方法もあるよ?と伝えます。

ピンとくる時には受け入れる子もいるけれど、頑なにやらない子もいます。
選択肢や新しい技術を取り入れる事ができたら、
表現する幅も広がっていきます。

出来上がったものは、自分の初めのイメージとは違ってるかもしれないけれど
自分ってこんな力があったんだなって実感できる瞬間でもあると思うのです。

私も子供の頃、そろばん塾じゃなくて造形教室にいきたかったな。